2 UPSでの輸送事故 - 運搬と調査
過去数年に私は二回しかUPSを利用していませんが、様々なクーリエを使っていて、もっとも重篤な輸送事故を経験したのも、その二回です。事故率100%というのは、私の運が悪いのかもしれませんが、しかし、今回の運搬作業を見ていると、そうとだけも思えません。
今回の事故は2006年12月21日に起こっています。荷物は57キロありました。中身は音響製品でしたので、当然ながら、FRAGILEとして送られています。しかし、荷物を受け取った状況はこのようなものでした。
受け取った部屋はマンションの3階でエレベーターなしです。今回、ふたりで配送に来て、ひとりがドアのところに来て、私が応対している間に、もうひとりが荷物を上げてきました。57キロの荷物を、です。
途中で、上げきれなくなって、二階あたりから、重くて上げられない、と助けを呼んで、もうひとりが降りて行きました。この時点で、もう嫌な予感がしました。
3階のドアの手前では、最初にあげていたひとりは疲れてしまったのか、もはや運ぼうとせず、私ともうひとりで入れました。私のマンションはドアの中にさらに階段があるのですが、ここもです。
荷物には大きくFRAGILEと書いてあります。57キロもあるFRAGILEをひとり車から下し、階段をあげるのは非常に危険です。
UPSの国内配送は実はクロネコが業務委託を受けて行っているようです。
しかし、クロネコだったら、このような運搬はしないでしょう。同じ12月に私は大阪から60キロを越える荷物を受け取っています。この時はヤマト便は3人掛かりでした。受け取った場所はこの時は民家の一階です。床などに傷がつかないように、丁重な運搬でした。
3、4年前までは日本のUPSはヤマト運輸との合弁会社でした。それが3年くらい前に合弁を解消。UPS JAPANの制服を着た人間が運搬するようになったようです。57キロの荷物をふたりで。あるいはひとりで。
私の最初の事故は合弁会社だった頃だと思います。この時の方が事故処理にも安心感がありました。シカゴからの35キロの荷物が中で粉々になりましたが、すぐにクロネコから人がやってきて、お詫びをし、荷物を調べました。補償も1ヶ月ほどで得られました。こちらでは特に何もする必要がなく、スムーズでした。
しかし、今回はUPSはお詫びにも来なければ、事故の調査もしていません。サービスセンターのSNという女性が担当者となりましたが、週末で誰も動けないといって、破損した荷物や箱の写真をメールで送ってくれ、と言ってきました。
逆に言えば、UPSは自分で調査もしないので、私がどこからか壊れた同じ品物の写真を手に入れて、送ったとしても、分からないことになります。これでは保険詐欺の可能性も増えるでしょう。
それは私が心配することではないかもしれませんが、そういう体制であることが、事故処理のまずさに繋がっていることは、後々、分かってきます。
残念なのは、日通が意外と国際物流で目立たないこと。宅配では国内でも、今一だし、国際宅配は日通かと思いきや、これもUPS等に対抗できるかどうか、国策企業という社史から脱皮できない、会社の構造的欠点、良くも悪くも業界へ影響しうる立場だが、出来の悪さは、経済産業省がてこ入れする自動車業界と比較して、政策的失敗もあるように思う。
by NO NAME (2010-06-15 09:31)