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5 UPSでの輸送事故 ― 契約代理店はUPSの代理人ではないのか?

 事故から一ヶ月が経過し、事故ナンバーも発行はされたのに、ドイツのUPSからは荷送り人に対して、まだ事故ナンバーすら伝えられていない。クーリエでの事故はたくさん経験してきましたが、こんなにスローな対応というのは、過去に例がありません。しかも、日本から問い合わせても、ドイツのUPSからは情報がなかなかやってこないようです。
 こんな状態に置かれたら、ユーザーは心配でなりませんね。

 そこに、2月2日になって、このようなメールが来ます。
「1/31現在UPSドイツでシッパークレームは受けていない状況でした。荷送人様はドイツのUPS NL BRANSCHWEIG KUNDENSCHというカスタマーデスクにご連絡をお取り頂いていたようです」
 訳が分かりませんね。「UPS NL BRANSCHWEIG KUNDENSCHというカスタマーデスク」というのはUPSではないのでしょうか?

 そこを質問すると、このような答えが返ってきました。
「UPS NL BRANSCHWEIG KUNDENSCH は契約代理店(カスタマーデスク)であり、情報がUPSドイツの本社へは来ておりませんでした」

 どういうことなのでしょう? カスタマーサポートをアウトソーシングしているのでしょうか? しかし、UPS NL BRANSCHWEIG KUNDENSCHがUPSとは別会社だとしても、それはカスタマーデスクであり、契約代理店であるのですから、そこへの連絡はUPSへの連絡とイコールであるはずです。契約代理店がUPS本社への情報伝達を怠ったとしても、それはユーザーから見れば、UPSの失策です。代理店がやったことだ、で責任回避はできません。

 例えば、私達はよくコンビニで宅急便を送りますね。その場合にはコンビニが宅急便屋の代理店です。ですから、コンビニで品物が壊されたとしても、契約上の責任は宅急便屋が負います。コンビニやったことだから知らない、では済みません。
 しかし、ここまでの混乱の原因は、UPSでは契約代理店との情報伝達がちゃんとできていなかったからなのですね、ということを確認するメールを送ったところ、こんな文面が返ってきました。

「契約代理店にも注意を促しましたが、貨物事故の報告は今後UPSドイツへ直接ご連絡下さい」

 あくまで、悪いのは契約代理店ということでしょうか? それに日本にいる私に、こんなことを言っても意味はないですよね。
 それよりは「今後、事故を起こした場合は、その責任を負うUPSは物事を放置せず、すみやかに、UPSの側から荷送人、荷受人双方に連絡を下さい」とこちらが言うべきところです。

 しかし、契約代理店はUPSの代理人である、ということがいまだに、日本のサービスセンターでは理解できないようです。2月9日にもこんなメールが来ていますから。

 「12/22に****様からのご連絡は頂いておらず、1/31にUPSドイツが****様とご連絡が取れるまで****様からUPSドイツへの連絡は受けていないとUPSドイツより報告を受けています」(****様は荷送り人)

 荷送人はドイツのUPS NL BRANSCHWEIG KUNDENSCHに連絡を取っていた。そのUPS NL BRANSCHWEIG KUNDENSCHからUPS本社への情報が来なかった。なので、注意を促した。そう書き送ってきたのは同じ人です。
 当然ながら、12/22に荷送り人が連絡したのは、UPS NL BRANSCHWEIG KUNDENSCHとしか考えられません。そうでなければ、注意を促す必要もないですから。
 普通だったら、契約代理店にミスがあったと認めた時点で、12/22以後のUPS NL BRANSCHWEIG KUNDENSCHへの連絡をフォローアップする。それが常識的な対応に思われます。ところが、いまだに契約代理店への連絡はUPSへの連絡じゃなかったよ、と言っているわけですね。

 まあ、これはSNという女性の個人的な考えなのかもしれません。とある機会に、電話で話したサービスセンターのTYDという男性は「契約代理店はUPSの代理人であり、そのミスはUPSのミスであり、責任を逃れられるものではない」というしごくまっとうな回答をしました。しかしながら、同様にひとりの社員の認識不足はUPSの認識不足であり、会社が責を負うものでしょう。
 契約代理店のせいだから、代理店に連絡したあなたがたが悪いのだから。そう言わんばかりの今回の担当者の対応は、UPSのサービスに対する評価判断を著しく落とすものにならざるを得ません。


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塚越繁

貴方のレポートを興味深く読みました。問題点は、
第一に、日本とドイツの間の輸送にUPを使った事にあります。コスト優先だったのでしょうが、UPSは欧州では、新参者であり、当然サービス体制が未整備な事画予測できたはずです。欧州では、DHLか、通常の航空貨物を使用したらよいと思います。
第二に、DHL,FEDEX,UPS等、海外業者は気配りサービスが出来ないものと解釈し、事故が起きたら、みずから、日本法人を通さずに、自ら英語で現地と会話、FAXE-mail等で、交渉をする覚悟を持つべきです。私は、約32年、貿易の仕事をしてきており、上記のうち、DHLとFEDEXでは、すでに事故を4回経験し、UPSはアメリカのみ利用しております。 また、貨物の一個当たりの重量は20キロ以下にとどめています。理由は、上記のサービスは本来、小型及び小口の貨物対象に作られたビジネスモデルであり、一個50-60キロの貨物を輸送するのに適しておりません。 荷おろし、積み替えの作業現場の扱いは、相当荒っぽいと考えて下さい。
第四に、少々高くても、日系のOCSを世界主要都市間の輸送に使う手があります。 私は、あまり使いませんが、集荷の問題があるからです。
第五に、クレームのやり取りは電話機にテープレコーダーを
付け、全ての会話を録音しておくことです。又、会話相手の
名前、TEL,FAX番号、会話日時をはっきり記録しておくことが、証拠つくりになり、後日の保険求償、裁判等の時に
役に立ちます。
第六に、UPSがドイツをハブにしたと聞いた時点で私はこれはUPSは欧州で使えないなと思い、全く利用しておりません。ドイツ人の頑固な、サービスを理解しない国民性を
はっきり認識し、わたしらは、リスク管理の点から、使用しない事が必要だと思います。
第七に、一般的に、休暇前、年末年始の前、最中、直後の
輸送は避けることです。 紛失、破損、沈滞の可能性が
急激に高まるからです
要は、常に誰でも上記のような事故にあう可能性があり、トラッキング番号をいち早く入手し、毎日到着するまで自ら追跡し、停滞が生じたら、すぐ、OUTとINの窓口に連絡し、
自ら相手に嫌がれても、追跡プロセスに乗り込むことです。
以上、参考になれば幸いです。 塚越繁
by 塚越繁 (2007-12-30 12:53) 

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